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20系津軽海峡を越える(11)~鉄道の「もしも」?

「総裁の首が飛ぶだけでは済まないと、運輸大臣が相当おかんむりなんだ…」
志村は、一瞬言葉を失った。

「課長、ということは、この計画は中止ということなんですか?」
「まだ誰も中止するとは言っていないけれど、運輸大臣がそういう態度なら続けるのは難しいんじゃないだろうか…」

志村は、やり切れない気持ちになった。




青森桟橋。ここから「はくつる」を航送することは出来なくなるのか?



志村は、運転局列車課の自席に戻った。
消してはもう一度スジを引いた。それを何度も繰り返した素案ダイヤ。

それを見て、志村はどんどん気分が沈んでいくのを抑えられなかった。

一度は、物理的な理由で頓挫しかけた。
しかし、志村の「逆転の発想」で再浮上した。

物理的な理由で中止、というのならそれは仕方ない。
しかし、政治的圧力で中止というのは、最もやりきれない結末であった。

志村の血と汗が滲む素案ダイヤ。
それを見ているうちに、自分の中にこみあげてきた気持ちを抑えることが出来なくなった。

突然志村は自席を立った。
見えない何かが、志村の足を突き動かしているかのようだった。




陸奥湾。この海上を、「はくつる」航送の連絡船が通ることは出来るのか?


志村の足が向いたのは、国鉄本社の総裁室だった。
総裁室の前には、守衛がいた。

志村は、守衛には目もくれず総裁室へ入ろうとした。

「おい、君!」
守衛が制止した。

「あなたでは話にならん!」
志村は、守衛の制止を振り切って総裁室の扉を開けた。

そこには、総裁が座っていた。
「何だ、君は。」
総裁があっけにとられたように、志村に言った。

志村は、暫く総裁と対峙した後、意を決したように叫んだ。
「総裁!」

~つづく~

※当時の国鉄に実在した部局名が登場しますが、内容は私が想像したものであり、当時の国鉄とは関係ありません。
「志村 道夫」はフィクションです。


途中からご覧になった方は、下記もご覧下さい。

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コメント

No title

おぉ「スジ屋の直訴」かあ。
こりゃあ、すげー。次回が楽しみだあ。
(このシリーズは、写真なんて、あくまで雰囲気だから使い回し、毎回1枚で良いですよ)

No title

NOSUKEさん、そろそろクライマックスです。
志村が総裁にどう直談判するのか、お楽しみに!

No title

こんばんは。いろいろ近づいてきた雰囲気ですね。
静かな感じの陸奥湾もいいものです。

No title

寝台特急あかつきさん、いつもありがとうございます。
いよいよクライマックスです。
どうぞお楽しみに!

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Author:Herorail
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星の数ほどあるブログの中で出会えましたことを感謝します。 見知らぬ町へ鉄の道で行きましょう。いやなことがあれば鉄の道で行きましょう。 宜しくお願い致します。
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