FC2ブログ

記事一覧

寝台特急「さくら」で「一夜」の恋~「君は夢の中」 (27・最終章)

「間もなく、横浜に着きます。」車内放送が、横浜に近付いたことを告げた。トンネルを抜けると丘陵地帯に家並みが張り付き、丘陵地帯が切れて国道1号線が線路に並行し、建物の密度が増えて空き地が目に入らなくなり、その向こうにランドマークタワーが見下ろすように聳え立っている、いつもの光景だった。列車の足取りが徐々に緩やかになった。見慣れた光景の中に溶け込むかのように、何やら色々あった今回の道中のことも「もう終...

続きを読む

寝台特急「さくら」で「一夜」の恋~「君は夢の中」 (26)

いつもだと、「もうすぐ横浜だ」と、自分だけの空間に浸っているが、今日ばかりはそうはいかない。車掌は、ここに至るまで回ってこない。重要なことを思い出した。下車駅近くなると、「ソロ」は部屋の鍵を車掌が回収にくるのだ。だから、個室にいなければならないのだが、彼女を一人にしておくことは出来ない。と言って、部屋の中に彼女を入れると、それだけで寝台料金を請求されると思った。どうしようかと思った。彼女に、「すぐ...

続きを読む

寝台特急「さくら」で「一夜」の恋~「君は夢の中」 (25)

「この『電車』、面白い。ソファーがあって、何だかホテルみたい。」ソロの通路で彼女を見かけてから、何とか彼女を落ち着かせようと無我夢中だったので、自分は女性との距離を測るのが苦手とか、そんなことを考えている余裕は全くなかった。外を見ると、いつの間にか列車は小田原を過ぎて、国府津まで来ていた。改めて、彼女を見つめた。夢の中の「彼女」は、とにかく積極的で、自分の先回りをするように色々なことを話してきたが...

続きを読む

寝台特急「さくら」で「一夜」の恋~「君は夢の中」 (24)

「すみません!お願いですから停めて下さい!」目の前の彼女が、言葉でも視線でも訴えかけていた。しかし、列車を停めるのは難しいと思った。何故ならば、特急列車が停車駅でもない駅で停車するのは、人命に関わるような切迫した事態に限られ、そうでもない時に無闇に停車させると、鉄道側の責任問題になってしまうと聞いたことがあったからだ。ただ、目の前に困っている女性(ひと)がいるのは間違いない状況だった。夢の中で「彼...

続きを読む

寝台特急「さくら」で「一夜」の恋~「君は夢の中」 (23)

夢だったということが、にわかには信じ難かった。何故ならば、自分が眠りに落ちてから今起こされるまで、7時間は寝ていただろう。それなのに、夢の中で彼女と出会い、彼女と一緒に博多へ行くことを決意するまで、どう思い出しても半年位の時間が経過していた筈だ。それに、夢の中でも何回かは「さくら」に乗って博多から帰ってきていた。ほんの7時間の間に、そんなに長い時間の夢を見ることがあるものなのだろうか。 改めて自分...

続きを読む

プロフィール

Herorail

Author:Herorail
拙ブログにお越しいただきありがとうございます。 yahoo!ブログから移転しました。
星の数ほどあるブログの中で出会えましたことを感謝します。 見知らぬ町へ鉄の道で行きましょう。いやなことがあれば鉄の道で行きましょう。 宜しくお願い致します。
アメブロも運営していますが、懐古趣味に限定しています。宜しければ合わせてご覧ください。https://ameblo.jp/ef58137/

月別アーカイブ

カテゴリ

アクセスカウンター